今回最大のネックが「研究計画書」。教授探しの際、ある教授に「博士課程入学時に、論文 1 本が書ける状態でなければ、今回の入学は難しい」と伝えられた。「論文が書ける状態」というのは「研究計画」が出来上がっている状態のことを指すみたい。これまで動いてわかったのは、「研究計画書」は、1、2 年の時間をかけて作成するということと、現時点で私には、これが無いということ。
「研究計画書」とは、博士課程(後期)入学時の提出書類で、研究テーマやその背景、目的、期間、期待される成果などを盛り込み、これに基づいて研究を進めるというもの。教授探しで気をつける点として、これを「自分で考えて、入学書類として提出しておいて。」というような教授は、本気で受け入れて、学位取得まで指導する気がないと理解した方がよいらしい。
そうやって少しずつ、いろいろなことがわかってきて、連絡の際の文章内容が小慣れてきた頃、少々手応えの感じられる返信をいただいた。研究生としてスタートすることの承諾を得て、Zoomで面接をした。1 年目は研究生として、学会誌に投稿するための論文を1 本書き、それを博論のひとつの章として、博論を進めるということだった。今後の指導もZoomで行うとのこと。パンデミックの恩恵。
この文章を書きながら、これは無謀な挑戦ということが、今ならわかる。研究生として大学院に在籍するにも、入学許可を得るために「研究計画書」が必要で、研究生だからと言って、それが簡単になるわけではない。ゼロからのスタート。時間は半年しかない。この日から図書館にこもって論文を読み漁る。
なんとか形にして、1 回目の提出 。具体的なアドバイスはなく、ただ返された。読むに値しないんだろうな。返信メールにある少しの言葉を頼りに加筆修正して提出。でも返ってくる。そして、旧友に相談。帰ってくる度に、参考文献の数も増え、修正を加えて出すけれど、最終的には、今回の入学を諦めなければならなかった。
今回の入学を諦めるということは、2 年目に研究費の申請をして、オーストラリアで研究をしようと思い浮かべていたので、オーストラリア滞在、残り1 年間の後、一旦、日本に帰国することになる。
思うことはいろいろある。稚拙なことは承知の上で、私の研究内容だと、行き詰まるところが教授には見えていたんだろうな。「インクルーシブ教育」。その分野の専門の人だから見通していたんだと思う。時代のちょっとした動きに翻弄されるものではなく、もっと普遍的で、本質を見たものでないといけない、んだよね。
今回は、やらない後悔より、やって後悔ということで、また近いうちに体勢を整えて、再挑戦。そんな世界があることを知ってしまったからには、どんな景色が見えるのか挑戦してみたい。
今回サポートしてくれた旧友に感謝。