CUBA

安定した生活を送っていると退屈になって、刺激を探す。2週間の休暇を取ってキューバへ。メキシコシティーからまずは、カンクンへ。カンクンのビーチリゾートも素敵だったけど、メインはチチェンイッツァ。マヤ文明の中心的遺跡。

メキシコシティーのテオティワカンも大きなビラミッドがあって、文明が栄えた場所。それとは異なるマヤ文明。バスのチケットを買って長距離バスのバス停で、出発を知らせるおじさんの声を聞き逃さないように待っていた。なかなか出発しないなと思っていたら、知らないうちに出てしまっていた。

メキシコは、長距離バスでも乗客名簿の確認なんぞは皆無で、チケットを買った人の自己責任。売れたチケットの枚数と乗車人数くらいは確認しようよ、と思うけれどなんでも適当。1 時間待って次のバスに乗車。サービスエリアで休憩の後も人数を数えないで出発する。恐怖。

密林の中にあるピラミッド。古代文明で優れた天体観測技術を持っていたマヤ文明。春分、秋分に起きるククルカンの降臨の日はすごい人が集まるらしいけれど、この日はのんびり散歩。インターネットのない時代にテオティワカンやエジプトなど、遠く離れたそれぞれの地域で、太陽暦を発見するって不思議な感じ。

そして、いよいよキューバへ。搭乗を待つときにバックパッカーのアジア人と話す。コリアンだった。ハバナを共に行動することになる。キューバは、合衆国との関係がよろしくないため、出入国の跡が残らないよう、パスポートにスタンプは押さない。通貨は人民用、外国人用の2 種類ある。キューバ危機やキューバ革命など興味深い歴史を持つ国。

ハバナ到着。宿は一般家庭の家に泊まる、民宿のようなもの。これで外貨や外国人用通貨を稼いでいるそう。社会主義国家の合法の収入源らしい。荷物を置いて街を散策。街の広場にいくと人と音楽で溢れている。こんがり色の肌にカラフルなドレスを纏った女性、真っ白のスーツにパナマ・ハットを被って葉巻をくわえた、いかにもキューバの格好の男性は、観光客用にいるのかな。明るい太陽の下、レストランに座って広場を眺めながら食事。

革命広場から、エルネスト・ゲバラの肖像を眺め、ホテル・ナシオナルで「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のチケットを購入。このホテルには、扉にフィデル・カストロの名前がかかれた、カストロの部屋がある。

街を歩きながらお店をのぞくと、どの店も強盗にあったのかなと思うほど、商品がない。日用雑貨店に入ってみたら、自分の欲しいものをカウンター越しに「あれちょうだい」と指差しして買い物する。チョコレートひとつ買うのもそんな感じ。靴屋さんに入ってみると、棚には商品が数点置いてあるだけ。

街中は、クラシックカーが走っていて映画の中みたい。これを安におしゃれと言っていいのかは疑問だけど。社会主義国の配給制度の生活の中で、クラシックカーに乗ることを余儀なくされていると思うとね。

歩いていると「カフェに案内するよ」と常に誰かが話しかけてくる。一緒に入って自分の分も注文する、彼らの作戦。「そのカメラ、クールだね。」と他人のものを気安く触る。絶対に手を離したらダメ。盗まれる。笑いながら。彼らは容赦無くたかる。うかうか騙される人がいるのかな。本当にしつこい。貧しさがそうさせていると思うと、悲しくなるけれど。

私は観光客。気を取り直して。両替所に行くと、ゲバラのコインがあったので大量に両替してもらった。みんなが乗っているクラシックカーの乗合タクシーに乗りたくて、その辺の人(まともな人もたくさんいる)に聞いたら、タクシーを止めてくれて、乗れた!後ろの長い、アメ車のオープンカー!降りるとき、外国人用通貨で払うと、人民用通貨でお釣りが返ってきた。タクシーの値段も全然違う。

マーケットを歩いていて、見つけたアイスクリーム屋さん。「苺とチョコレート」を注文した。いつか観たキューバ映画のタイトルと同じ。コリアンは映画に詳しい人で、その映画を知っていた。骨董品屋さんで映画のポスター画集を購入。スペイン語が全くわからないのに、映画館で映画を観た。

ヘミングウェイの通った老舗レストラン「エル・フロリディータ」で、フローズンダイキリ。彼のイメージは、キューバンラムのモヒートだったけど、別のお店らしい。このレストランも素敵だったり、おしゃれなチョコレートドリンク屋さんがあったりするのは、観光客用なのかな。それともキューバ人全員が配給を受けているわけではないのかな。その辺がわからないまま。

朝、近所の公園にすごい行列ができていて、その先には、青いバナナの山。マーケットかなと思って引き寄せられて、行こうとしたら「あれ配給だよ、きっと。」

高速道路の入り口に着飾った女性が立っていて、なんだろうなと思っていたら、この国から連れ出してくれる人を待っているらしい。もう、本当になんなの?人生って。

最終日の夜は、ホテル・ナシオナルで「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のステージ。キューバ音楽。ラテン音楽というのかな。モヒートを飲みながら楽しい夜だった。

その帰り道、タクシーに乗って信号待ちしていたら、欧米人の女性が横断歩道の上でひったくりに遭う現場を、至近距離で見てしまった。怖すぎた。夜は絶対に外を歩いたらダメ。

お土産はキューバンラムのチョコレートと葉巻(ショート)。「コイーバ」と「ロメジュリ」。とチェ・ゲバラのコイン。

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