ストライキが明けて、駅はすごい混雑。次の目的地へ行こうと、チケット売り場に並んでいたら、なんだかおかしな空気に気づく。私たちだけ、ちびっ子ギャング(10代)に囲まれている。確かにアジア人、目立っていたな。ガラスの向こうのチケット売りのおやじもなにも言わない。さっきまで、ぎっしり並んでいた私の後ろの人たちも、少し距離ができている。
助けろよ、と思ったけど、自力でなんとかしないと。妹と「チケット受け取ったらとえりあえず、駅員室に向かって走りろう。」と示し合わせて、チケットを受け取って走った。駅員室まで追いかけてきたけど、駅員を見て、散った。
そうしたら一人の駅員が彼らを追いかけた。他の駅員たちも暖かかった。「大丈夫かい?」と。ギャングを捕まえに行った駅員が「こいつらか?」と。「そう、こいつらがカバンを掴んだの。」「電車が来るまでここにいていいよ。」駅員室で駅員たちと、楽しくおしゃべり。これも旅の思い出。
それにしてもギャングたちの格好は世界共通なのか、アメリカンギャングそのまま。ツバの大きいキャップと足が 3 本くらい入りそうなパンツに、ピースマークの大きいペンダント。そんなものつけてるから、足が遅いんだよ。
そして、電車に乗ると6人のコンパートメント。シートは広くて乗り心地がいい。乗り合う人たちとおしゃべりして、ナポリ到着。そのままカプリ島へ。青の洞窟の美しさは、息を飲むほど。自然のアドベンチャー、大好き。案内人のイタリア語の歌が響く洞窟の中は、どこに目をやっても美しく、キョロキョロしてしまう。海面が上がって狭くなった入り口を、ボートに横たわって外に出た。
カプリ島は、青い空、眩しい日差しとレモンのイメージ、そのままだった。泊まった部屋がレモンのベッドカバーというのもあったけど。カプレーゼ発祥の地らしいけど食べなかったな。ナポリでもマルゲリータを食べなかった気がする。
ナポリは港町で、街の雰囲気が今までのところと違って感じた。建物の間の道が狭く、高い建物で陰になった暗い通りが多かった。そのせいもあってか、妹がプチ・ホームシックに。シチリアに行く船に乗るために港に来ていたときだった。この海から日本の海は確かに遠いね。
同じ家庭で育った姉妹でも性格が違うんだなと、隣でしみじみ。私は、誰にも縛られていないと感じると、生き生きする。干渉を受けて育つ姉と、注がれる愛情が姉より少ない妹の差かな。普段は私なんかより天真爛漫な妹の、知らなかった一面。
いよいよ、シチリア島!イタリア本土、メッシーナからシチリア島のシラクーサへフェリーで。電車をフェリーに乗せる作業を見るのがおもしろい。本土の電車が、フェリーで島に運ばれ、シチリア島を走る仕組み。シチリアは、ゲーテのイタリア紀行に出てきていて、どんなことが書いてあったかはもう覚えていないけど、いつか来てみたかった。歴史上、いろんな文化が混ざり合う島。
島で遺跡を散歩していると、建築を勉強しているという人に会った。建物は朽ちていて、ギリシア建築らしき柱が残っている。歴史を知らない私にとって、全く興味が沸かないくらい朽ちていた。歴史を知る人には、その全体像が見えるんだろうね。さらには人々が住む街も古くて手入れされていない感じ。
南イタリアの太陽は燦々として、アパートの窓から干される洗濯物は、からっと気持ちよく乾きそう。ゆっくりと時間が流れていて、オリーブ畑の景色が印象的な島だった。
本土に戻るフェリーの中で、イタリア人が食べているものが気になって「それなに?」と教えてもらって、食べたのが「アランチーニ」。しばらくこれにハマる。この頃、デザート屋さんも日課になっていた。店先に並ぶケーキが魅力的。おいしそうなところを見つけて、イタリアのお菓子をいろいろ試す。
夜行列車に乗るときに、どうしても試したかったパネトーネを買ってみた。サイズが大きいので、もし、おいしくなかったらどうしようと半信半疑で。でも、これがおいしかった。