日本食レストランで働くということに、いい話は聞いたことがない。あからさまなパワハラ、陰湿ないじめ、違法な低賃金、それに加えて日本人特有の細かさ、意地悪さが際立っていて、日本と同じくらいかそれ以上のストレスを被るよう。もちろん賢い人もいる。賢い経営者もいるだろうし、私が今の日本食レストランに入ったときは、驚くほどの高学歴集団で穏やかだった。
外国で日本食レストランを経営する経営者は、大変な苦労があると思う。異国の地で外国人という身分、飲食業という職業。西洋文化は階級社会で、そのヒエラルキーの一番下で生きていくことにやりきれなくて、ストレスがかかるのが想像できる。また、事業を大きくできなかった場合、自ら現場で働かなくてはならない。その吐口が日本からやってくる若者たち。そして負の連鎖が起こる。
飲食業が大好きで、天職だという人は素晴らしい。天職に巡り会わない人もたくさんいるから。おいしい、美しい、感動する料理を作って提供するレストランは素敵だと思う。オーストラリア人も調理人は嫌だけど、シェフは人気の職業だそう。かつて放送されていたオーストラリア版、料理の鉄人の影響らしい。シェフは、キッチンの中を仕切る人。
もしくは、経営者として飲食業に携わるならおもしろいのかもしれない。でも自分の時間を切り売りするだけなら勧めない。経営者の都合のいいように使われて(どんな職業でも同じだろうけど)、日本レベルの甚大なストレスをかけられる。せっかく日本を出たのに、簡単にできるからという理由でわざわざ日本人の経営するレストランで働かなくていい。他にやれることはたくさんある。
もっと言うなら飲食業につかない方がいい。オーストラリアはカフェ文化が発展していて、一度、オージーが経営するカフェでも働いてみたけれど、飲食業の本質は同じ。スキルが身につかない、将来につながらない、機械で十分できる仕事。百歩譲って、日本人経営じゃないレストラン。英語の練習になるから。
いつかYoutubeでひろゆきが「〜の職業には就かない方がいいですよ。」と言っているのを聞いて、職業差別だと思っていたけれど、そういう職業が存在することを実感した。
機械化の進む国では、注文や調理、配膳、下げ膳、洗い物までロボットが開発されている。機械が安くつくられて一般化したら、人手不足の先進国では導入される。これまでに料理や配膳ロボットは見たことがあった。AIの時代がくるってこういうことか、くらいにしか思っていなかったけど、飲食業の仕事に就いていろいろ実感した。「従業員は都合のいいコマ」というのも、「いじめ」も他の職業にもある。
だけど、飲食業の何がきついって、テーブルの片付けと、洗い物。教養や国の発展度合いによって、食事のマナーが異なる。目も当てられないようなテーブルマナーの悪い人々の、テーブルの片付けほどきついものはない。最初は吐きそうになった。食事代金に片付け代をプラスしたらいい。行儀が悪い人は、食事代ダブルとか。
そして洗い物。最初は飛んでくる汚い水しぶきに耐えられなかった。私をトレーニングしてくれた人が、高学歴のスマートな女性で、この人がやっているんだからと自分に言い聞かせた。だけど、世の中には、下げ膳をするロボットがあって、画像認識センサーとAIとアームが洗い物、収納までをする。
アメリカでは、ロボットのバリスタがコーヒーをいれる無人店舗を展開している。ピザの宅配では、AIの需要予測に基づいて、移動しながら調理し、できたてを販売する。人手不足解消のためにスタートアップ企業がロボット従業員を開発している。(日本経済新聞電子版2019.10)
栄養を摂るための食事なら機械が調理しても問題ない。片付けだって効率よくできるだろうし、時間がかかっても残業代が必要ない。そうしたら経営者のストレスも減り、いじめという負の連鎖も起こらないんじゃないかな。