「棗(なつめ)のドライフルーツ」。中にくるみが入っているのがお気に入りで、季節限定品。新疆の和田が産地で、季節になるとスーパーやおやつ屋さんなど街じゅうに並ぶ。ドライフルーツが好きなのに、農薬やコーティング剤が怖くて、ちゅうごくに来てから食べていなかった。チベット行きの電車の中で出てきて、食べたその時からのお気に入り。いつも行くドライフルーツ屋で大粒の個包装のものを買っていた。
その店で一緒に買っていたのが「マカダミアナッツ」と「カシューナッツ」。マカダミアは硬い殻がついたまま売っている。その殻に切り込みが入っていて、そこに専用の金具を入れて殻を割って食べる。ほんのり塩味。そしてカシューナッツは手のひらサイズの小袋に入っていて、カシューナッツとしか書いていないのに、なぜかキャラメル味。不思議。こういう謎が怖い。初めて食べたときは、あれ?カシューナッツってキャラメル味がしたんだっけ?とググってしまった。
日本にお土産で持ち帰ったら、みんな動きが止まる。だけど優しさで食べてくれる。気持ちはわかるから、自己満足で買って帰るのはもうやめよう。日本にいたらちゅうごく産と書いてあるものは買わないもんね。でも、その国に住んでいたら、ある程度腹を括るというか、諦めるというか、慣れてくるというか。そう言っていたら食べるものがないからね。
では、めげずに次は「甘栗」。これも決まったお店で買っていた。自宅の近くのおやつ屋さん。普段はおやつやドライフルーツを売っていて、甘栗の季節になると店先に石焼の機械が置かれて、いい匂いが漂う。出来上がる頃には列ができている。できたてがおいしい!毎年、市内の甘栗人気店ランキングが出て、人気店には行列ができる。
ちゅうごくには、「おやつ屋さん」なるものが街中至る所にある。ちゅうごく人もおやつが大好き。昔からの定番は、ひまわりの種。食べるところが無さそうに見えるのに、一生懸命剥いて食べる。食べ終わる頃にはテーブルの上も床もひまわりの種の殻だらけ。
おやつ屋には、駄菓子、ナッツ、おつまみなどが手のひらサイズの小袋に入っていて、量り売りで買うことができる。たくさんの種類があるので全部見てまわるには時間がかかるけど、楽しい。Youtubeの李姉妹chで、おやつ紹介を見たときは興奮してしまった。日本在住、ちゅうごく出身の李姉妹が横浜中華街で食べ歩きをしたり、多岐に渡るちゅうごく文化を紹介したりするのを日本語で聞けるのがいい。
お気に入りのおやつ、最後は日本でも流行った、「台湾カステラ」。上海には、小麦粉、ミルク、卵、砂糖を使ったお菓子屋さんはいろいろあったけど、お菓子の国、ニッポンの味に慣れているからもう一度食べたいと思うものは見つけられなかった。そんなとき、差し入れでもらった台湾カステラに驚いた!早速、お店を聞いて手土産の定番になった。
上海は、西洋文化が入って長いので、パン屋や洋菓子店がたくさんある。外国人経営のパン屋やホテルのパン屋のパンは、食べ慣れた味がする。そうでないところは、食べ慣れない味がする。多分、ちゅうごく独自の進化を遂げた味なのかな。日本のパンも欧米のパンと比べると独自の進化をしているもんね。保守的な欧米人は、日本のパンは柔らかすぎるとか、パンじゃないとか言う。
いつもたくさんの人で賑わう、人気の洋菓子屋で見つけたパイがおいしそうだったので買ってみたら、匂いが苦手だった。ちゅうごく人の同僚に聞いたらバターではなくラードを使っているからと。日本でもラードを使うことあるよね。香料かな。何が違うのかは最後までわからなかった。
余談ですが、、パン屋で思い出したのが、近くを通るとつい買ってしまう三大ブレッド。「ロブションのレーズントースト」。ブリオッシュ生地のちょっと贅沢トースト。「ジャン・ジョルジュのフルーツぎっしりブレッド」。「ファリーヌのクロワッサン」。今いるオーストラリアにおいしいパン屋が無いのと、小麦を食べていないのとで、走馬灯のようによみがえってきた。おいしいパン屋さんたくさんあったな。