生鮮食品市場

各地域に必ずあるのが「食品市場」。入り口には「菜市場」と書かれていることが多いけれど、野菜、肉、魚など食材はなんでも揃う。たくさんのお店が入っていて、やっぱり広い。

長年、上海在住の日本人は、生鮮食品は日本のスーパーで買った方がいいとアドバイスをくれる。健康を気遣うちゅうごく人も食べるものはスーパーで買ってね、と。市場で売るものには農薬使用量の規定やら衛生基準が存在しないらしい。

一方、日本のスーパーは「自社専用の畑で土を安全なものに入れ替えて育てています。」と宣伝しているので、高くてもそこで買う。また、カルフールやKマートなど大きなスーパーは不祥事があると大変なことになるので、仕入れる食品にはいろいろな基準値を設けているらしい。だから食品の買い物はスーパー。でも、市場で食材を見るのは楽しい。

市場の入り口には必ず蒸しパン屋さんがあって、大きな竹のせいろで蒸しパンを蒸している。見た目は日本の肉まんで、中身が入っていなくて、味はしない。ちゅうごく人は、お米も食べるけど蒸しパンをおかずと一緒に食べる。具材の入っていないものが一般的だけど、具材の入った蒸しパンも売っていて、肉入り、野菜入り、小豆入りなど。他には、揚げパン、自家製豆乳などが売っている。

進んで行くと、ちゅうかクレープやら麺類などの粉物屋。そして惣菜屋。惣菜屋はクリアボードで囲まれていて、向こう側に調理済み食材が入ったトレーが並んでいるので、アレとアレとと指差しして食べたい食材を伝えて、それらを和えて味を整えてくれる。これがおいしい。味を整えるのに最後に、ボウルに入った白い粉を振りかけた、あれはきっと旨味調味料。MSGってやつね。アジアの食べ物には必ず使われているという、アレ。

持ち帰りエリアから、さらに入ると見渡す限りの野菜屋さん。たくさんの新鮮なちゅうごく野菜が並ぶ。お店によって鮮度や値段が違うのかな。見ていると、お店の人が声をかけてくれる。スーパーにはない活気のある雰囲気が楽しい。魚屋コーナーには、生きたスッポンがぶら下げられていたり、カエルが箱の中で飛び跳ねていたり、初めて見る食材も。

そして肉屋さん。なぜか紫色の電灯の下で営業していることが多い。一頭分の肉を解体して、全ての部位を売っている。客が欲しい部位や量を言うと、見たことのない大きな包丁で切ってくれる。豆腐屋も種類が豊富で見入ってしまう。豆腐でよく使っていたのが豆腐干絲。干豆腐を細切りにしたもので調理しやすい。もちろんスーパーで買うけれど。

卵は絶対に市場で買わないでと言われていた。抗生物質の使用もさることながら、いつ採れたものかわからないらしい。「新鮮な卵を食す」という感覚はないそう。レストランは間違いなくこの卵を使っているよね、安いから。大量の卵がきれいに並べられていて、買った人を見るとトレー無しで、大量の卵をレジ袋に入れてもらっている。割れないのかな。

食品市場の中心は生鮮食品だけど、その周りには、駄菓子屋や豆屋、調味料屋があって、お気に入りだったのが夏限定で登場するアイス屋さん。おしゃれなものではなくて、袋に入った棒付きアイス。定番は東北大板、卵ミルク味。ここの苺味も濃くて美味しい。そして紙に包まれたレトロな小豆バーや緑豆バー。変わり種は芝麻醤味。これはかなりおすすめ。アイス好きには宝探しのよう。

体を冷やしてはいけないからか、ちゅうごくではアイスもアイスクリームも夏しか売らないみたいで、3ヶ月ほどでアイス屋さんは、いなくなってしまう。不思議なことにスーパーでも、冬になるとアイスコーナーが消える(でも日本のスーパーにはある、日本から輸入の高価なやつが)。庶民用アイスは、唯一コンビニには置いているけれど、だいたい霜がついているので、冬、アイスを買うときは売れていそうなコンビニで。

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