市場はエンターテインメント

例えば電脳街のように、そこに行けばコンピュター関係のものがなんでも揃っている場所を市場といって、市内にはいろんな市場がある。布市場、紡織市場、家具市場、食器市場、雑貨市場、花市場、お茶市場、服飾市場、靴市場、アニメ城、そして珍珠城。

広い敷地や高いビルの中にたくさんの店舗が入っていて、所狭しとものが並べてあって宝探しみたいで、見て回るだけでも楽しい。いつ行っても人と物で溢れ返っていて、活気があって市場に出かけることはひとつのエンターテインメント。ちゅうごく人は愛想笑いをしないだけで、人情味はある、と思う。動きは雑だけど。店先で麺類を食べているけれど。

寝具で気分転換をするのに、紡織市場に時々出かけた。広大な敷地の中に2000軒を超える店が入っていて、1日3〜4万人の来客があるらしい。寝具、カーテン、カーペット、ソファー用ファブリックなど家の中の布製品が揃う。そして、オーダーすることもできる。すごい品数なので寝具も欲しい色、素材のものが既製品で見つかる。そして安価。キングサイズのコットンの寝具セットで2,000円程。外には屋台が並んでいて、お腹が空いたら食事ができる。

食器市場や雑貨市場も楽しい。キッチン用品の品数がすごくて、やっぱり値段がお手頃。欲しかったものや思ってもいないお気にりの商品を見つけられる。雑貨市場はちゅうごく雑貨がおすすめ。街中の小売店が仕入れに来るらしいので、値段が安いわけ。服飾市場や靴市場は商品がありすぎて買うものがわからない。

布市場もよく利用した。建物の中は布屋さんだけなのに同じものを並べる店はない。トルソーにチャイナドレスを着せてディスプレーしている店や、日本のファッション紙を置いて、「このコート作るよ」と話しかけてくる店もある。

奥に座っている店の人に「生地と服のデザイン」をオーダーすると、1週間ほどで仕立ててくれる。スーツで1着1万円くらい。好きな生地を選んで、採寸してもらうのもいいけれど、私は自分のスーツを預けて、選んだ生地でこれと同じものを作ってと頼んでいた。既製品の方がバランスよく仕上がるから。

花市場。ここは1日いても飽きない。いろんな花が本当にきれい。日本では高くて買えないような花もお手頃。鈴虫の季節に行くとその鳴く声が市場中に響いている。どこから聞こえるのかと見渡すと、1匹ずつ5cmほどの竹籠に入れられて店先で大量に売られている。また、いろんな種類の多肉植物がちゅうごくの器に植えて売られていたり、ちゅうごくの調度品を置く店もあったりして、ちゅうごく文化を感じられる。

そして珍珠城。ここは専門の市場ではなく、いろんなものが置いてある。名前の通り珍珠(真珠)の他に、ちゅうごく雑貨、おもちゃ、絵画、家具、サングラス、シルク製品、靴、鞄、服、仕立て屋、そして模倣品。なんでも入っていて職場の近くにあったのでよく行った。はんこが欲しいときもここ。好きな色の石を選んで、文字や絵を注文すると、その場でさっと彫ってくれる。ハンコ文化の日本人にはありがたい。一番行った市場かもしれない。

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