小さいことは気にしない。でも、そうも言ってられない。

街中でよく見かけるワンタン屋さん。小腹が空いて中に入ると、食べている隣のテーブルで、お店の人が座ってすごい速さでワンタンを包んでいる。日本だと「衛生面が・・」と言われそだけど、ここでは大丈夫。そしてワンタンの持ち帰り客、持ち帰り袋の中でスープの容器が縦向きになっていても怒らない。日本だと苦情になる。

職場内の文化は日本そのものだから、気疲れしながら仕事を終える。でも一歩外に出たら自由なちゅうごくの人たちが元気をくれる。

SIMロック解除の作業だって、至近距離でじっと見ていても嫌がらない。なにせ、小さいことは気にしない。日本だと「少々お待ちください」と奥の見えない場所で作業するよね。苦情にならないように。なにで苦情になるかわからないから、細心の注意を払う。

職場の近くにおいしい羊肉の串焼き屋があって、時々同僚と食べに行った。ウイグル族の人たちがやっているお店。お店といってもテント。大都会でテント暮らしの串焼き屋さん。羊肉の串焼きは、ウイグルが本場だからやっぱりおいしい。

間口が横に広いテントで、前では羊肉を焼いて、後ろ半分は住居。ベッドや家財道具があって、子どもたちも暮らしている。自動販売機ほどの大きさの浄水器らしきものも置いてある。生活用兼商売用?どこから引いている水なんだろう。いろいろ気になるけれど、小さいことは気にしないことにする。

と思いながら、次行ったらテントがなくなっていた。なにかの法令で立ち退きになったと聞いた。法令といえば私が上海に着いた頃、車の鳴らすクラクションで街中が本当にうるさかった。運転が荒い上に、なんでもかんでもクラクションを鳴らすから道路はカオス。毎朝の通勤、怖くて前を見られない。それがある日、ぴたっと止んで静かになった。「クラクション禁止令」が出たそうな。

ここの通り、パジャマ姿の人が多いなぁ、近所に病院でもあるのかなと思っていたら、別の所でも同じことを感じた。ここの通りも病院があるのかな、私の生活圏内、病院だらけと思っていたら、どうやら彼らは入院患者ではなく、家からパジャマのまま外出しているらしい。それがある日「パジャマ外出禁止令」が出てから、パジャマで外を歩く人を見なくなった。シュウさんの力はすごい!

その後も地下鉄のホームでは、ある日を境に皆が並ぶようになったり、どんなに小さい横断歩道も赤信号だと待つようになったりした。CCTVの顔認証でどこの誰かがわかるから。監視社会は良いのか悪いのかは、わからないけれどその威力はすごい。

会社が持っているビッグデーター(主に支払い能力)や、個人がインターネットにつながっている日常の行動からデーターを集めてAIで解析して、個人の信用力を可視化できるアプリが普及している。それは名刺がわりになり、ビジネスなどでお互いの信用度を確認するらしい。もう、それは小さいことを気にしないといけなくなるよね。

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