みんな元気、みんな起業を狙っている。

こちらに来たころ、街を歩く人たちはタピオカミルクティーかフルーツティーを持っていた。そんなに喉が渇くかなというくらいみんなが飲んでいた。私も買った。でもやっぱりコーヒーが飲みたい。生活圏内でコーヒーが買えるお店はスタバだけ。あ、あとセブンイレブン。だけど遠かった。

コンビニが乱立する中、唯一セブンがコーヒーを置いていた。セブン以外のコンビニは、ドアが開くと五香粉の匂いがしてきた。おでんと一緒に置いている煮卵の匂い。なのにセブンの前を通るとコーヒーの香りがして、ヨーロッパの街並みを思い出す。書いていて、大げさで笑っちゃうけど、それくらいコーヒーの香りは珍しかった。

カフェイン中毒だった私は、グラインダーを購入して自分でいれた。日本の同僚たちも同じことを言っていた。コーヒー豆も結局はスタバ。

しかし!コーヒーに急展開が。上海に来て2年目、スタバ・リザーブができて、その翌年、ちゅうごく人女性が起業したラッキンコーヒーが爆発的に広まった。注文の多くは配達。店舗はカウンターのみ。5個買えば1つおまけなどのキャンペーンをよくやっていたので、職場でもよく注文した。

昨日まで無かったのに、今日から全員がコーヒーを飲んでいると言っても大げさじゃないくらい、本当にあっという間の出来事だった。それまで「コーヒーじゃなく、お茶なんだよね。」と言いていた、ちゅうごく人も、きっと流行には勝てなかったと思う。

コーヒーの登場。ちゅうごくのコーヒーのデフォルトは砂糖入り。ラッキンコーヒーの注文は「砂糖なし」と注文する必要がある。タピオカミルクティー、フルーツティーに並んで甘いコーヒー。いつかのちゅうごく国内旅行中、どうしてもコーヒーが飲みたくて、売っているところがなく、やっと見つけた高速鉄道の駅のマックカフェ。注文したら砂糖入りが出てきた。砂糖なしがいいと頼んだら、不思議そうに注ぎ直してくれた。

14億人の巨大マーケット。コーヒー豆の卸業者はがっつり儲けたね。ちゅうごくは人の下で働くなんてイヤ!いつか自分で起業する!という人が多いらしい。確かにチャレンジ精神旺盛で自信満々で、成功している大金持ちの人、多そう。そうでないとヨーロッパの老舗ブランドの商品なんて売れないよね。国民性の違いなのか、チャンスがたくさんあるのか。

外国企業は、ちゅうごく企業との交渉人として、必ずちゅうごく人を雇うそう。元気で強いちゅうごく人に言いくるめられて、交渉にならないらしい。

お金持ちもさることながら、手先の器用な人が多い。日本人も細かい仕事をすると言うけれど、ちゅうごく人もすごい。私が上海についたのは日本の携帯電話がSIMフリーになる前だったので、SIMロックを解除するために「電脳街(電気街)」を教えてもらった。怪しい街かと思ったら、PC、携帯、周辺機器などの電化製品の店が入る高層ビルがいくつもある近代的な場所だった。

たくさんある店の中からリンゴマークを探し出してSIMロック解除をしたいと言ったら、値段を教えてくれたお兄さんが目の前で作業を始めた。テーブルの上の小さなスペースで、さっさと携帯を開けて極少の部品をなんかしている。すごいね、意外と器用。じっと見ていても物怖じしない。「今、なんか飛んでいったけど気のせい?」「問題ない」と一言。あっという間に作業が終わった。彼らも自分でお店を経営しているそう。

ところで、コーヒーの爆発的人気の次は、チョコレートを誰かが仕掛けるんじゃないかと思っていたけど、まだ流行の波は来ていない様子。おいしいチョコレートが輸入されてスーパーにひっそりと並んでいる。ベルギーの有名ショコラティエもお店を出している。いつか行列ができる日が来るのかな。

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