翌朝、友人は仕事に行き、私は図書館へ向かっていた途中、電話が鳴った。国際電話。なんと上海、受かったー!!
私の気持ちは一変。人生どんな風になるんだろうと、一瞬喜んだ。でもすぐに不安の方が大きくなった。家族になんて言えばいい?心配するよね、私も心配だもん、大気汚染とか社会主義とか。
よりによってちゅうごく。一日中、悶々として、夕方帰宅した友人に話す。うーんちゅうごく、、仕事なんて探せばいくらでもあるよ。と芳しくない返事。
そうだよね、みんなそういう返事になると思う。でも、これを断ると今後、この団体が募集する仕事に就けなくなる。。決まらないと不安を撒き散らすくせに、決まっても素直に喜ばない自分が本当に嫌になる。
これに受かると、3週間後に東京で研修会がある。私にも帰る理由ができた。友人にまたねを言って、私は旅に出た。
まずはポルトガルへ。ポルト、リスボン。スペインのセビリア、アルヘシラス、いつか行きたいと思っていたジブラルタル。そして人生初のアフリカ大陸、モロッコ。
この旅はまた別で書いてみようと思う。旅を終えた私はモロッコからマドリード、そして東京へ。
大きなバックパックを背負って、30分ほど遅刻して研修会場に到着。さすがに会場に入る時は背中から下ろして、会場の後ろに置かせていただき、そしてこれから共に仕事をする仲間たちが座る席に着く。
静かな研修会場の中で、チームのみんながにっこり微笑んでくれた。これから新しい世界が始まる。ちゅうごくという呪縛が解けた感じがした。