翌日、みんなで食事に行こうと誘われて行ったら、教会のフリーフードらしい。すごいね、こんな豪華な食事を準備してくれるなんて。仕組みがよくわからないけれど、説明によると、昨日の大聖堂とは別の教会なんだって。
ヨーロピアンと旅を共にすると謎の出来事が時々起こる。説明してくれるけど、理解もできないし、察しもつかないことがある。多分、文化圏の違いかな。自分の知っている文化圏内だと、おおよその事は想像がつく。まぁここは流しておこう。
イビザの彼に「私、仕事探しているんだけど何かあるかな。」と尋ねると、僕レストランやっているからそこで働く?でも夏の間ね。冬はこうやって旅をしているの。なかなかヒッピー。
年がら年中機械のように働く日本人の私にとって、どうやって生活しているのか想像もつかない。社会福祉が充実しているのかなんなのか、謎。私は旅の間も、こうして自分が無職ということを案外気にしている。
街の中を散策しながら、彼が知り合いにすれ違うと「彼女、仕事探しているんだけど何かある?」と聞いてくれる。「ここのツアー会社の受付カウンターどう?」えっ、ここで?なんだか、いろいろ自信がなくなってきたので仕事探しは一旦、中断することにした。本当にありがとう。
丘に登って街を見渡した。素敵な巡礼地だった。イビザに行ったらレストラン行くね、と言ってバイバイした。彼はまだしばらくここに滞在するらしい。電車でビゴに戻って、友人に会ってほっとした。異次元に迷い込んだ数日間だった。
友人に教会のフリーフードのことを話すと、それホームレス支援の食事だよと。クリスチャンの社会ってそうやって成り立っているんだね。謎が一つ解けた。