暗い、寒い、悲しいイギリス生活で、ある結婚式の招待状を受け取った。日本で3年ほど仲良くしていたアメリカの友人からだった。すぐにカレンダーを確認して、飛行機チケットを予約して、6月、デラウエアに向かった。デラウエアは、都会っ子の彼女のパートナーの出身地だそう。彼女の結婚前、ニューヨークに何度か訪ねた。あるときは、ニューヨークからノースキャロライナまで、車で旅をした。デラウエアは今回初めて。
空港で感動の再会を果たし、到着した家は、プール付き、柵のない広い庭付きの家だった。庭はどこまでが自分の敷地か分からないほど広く、向こうが見えない。結婚式に使う紫陽花を摘みに行くから手伝ってと庭の向こうまで行くのに、すごく高い木々の間を歩いて、ちょっとした森を散歩しているよう。朝はサンドイッチに使うサラダを調達しに、あっちの家庭菜園。こんな広い庭なのにガレージにプランターを置いて何かを栽培している、あっ、目を見合わせる。
アジア人の女の子
週末は昼間、プールで泳いで、日が沈む頃、ご近所何軒かで集まって、プールサイドでお酒を飲みながらのんびりお喋り。なんだこの優雅な生活は。毎週誰かの家で集まるらしい。そこでアジア人を見かけることはなかったけれど、あるとき、アジア人の小さな女の子に出会う。ちゅうごくから養子としてやってきたそうで、国際養子縁組のビジネスはアメリカで盛んだそう。
優しそうな両親に愛されている様子がすぐに分かった。それと同時に、年頃になったら何を思うのだろうと、想像した。幸せな生活を送りながら、人知れず自分のアイデンティティについて悩むのかな、と。アングロサクソンの人ばかりのコミュニティーで、見た目の全く違う自分について。アメリカでよくあることだとしても、目を引く光景。
里親は、彼女のルーツは中国だよ、と隠す様子もなく、本人もいる皆の前で話す。考えすぎなのか、私の感覚とは違って、事実だから本人も知って当然と言わんばかりの様子。小さな大人扱い?自分のことは自分で乗り越えろということなのかな。
お祝いの席はやっぱり素敵
どこの国も同じく、結婚式にはすごく費用がかかるから、自分でできることは準備すると言って、私もいろいろと同行した。そして当日、盛大な素敵な結婚式だった。アメリカドラマでよく見る結婚式。日本の友人とも再会した。彼女はサンディエゴにいて、そこからやってきた。皆が幸せに満ちるひととき。
結婚式、披露パーティーが瞬く間に終わり、1ヶ月のデラウエア滞在もあっという間だった。友達にまたねと言って、お土産に香料強めでお気に入りのBath & Body Worksのボディーソープとハンドクリームを買って、ブライトンへ。戻ってみたら、太陽が出ている!ビーチに人がいる!ノースリーブを着ている人がいる!はりきって夏服をきて外に出てみたら、寒くて震えた。涙は出なかったけれど、落胆した。7月のブライトンは、夏という名の冬だった。