天気が悪くて、心が病んだ

毎日どんよりした天気と、雨がしとしと、1日に何度も降ったり止んだり。天気予報で雲の動きを見ると、イギリス上空をずっと雲が流れている。途切れないから、晴れ間がない。そして、寒い。暗くて、寒くて、悲しい。

例えば朝、雨の音で目覚める。学校へ行く支度をする間、雨が止んだかなと思い、出かけようと扉を開けたら雨。授業の間も降ったり止んだり、窓の外はいつもグレー。授業が終わって雨が止んでいるうちに帰ろうと歩いていたら、また雨。

これだけ降って、太陽がないとだんだん心が病んでくる。太陽のありがたみを初めて知った。冬は、お洒落ができるからいいとか、雨の日は、何もしないで窓の外を眺めるのがいいとか、もう絶対に言わない。

人生初のホームシック

気分転換を求めて、街にある小さな美術館に行ったり、素敵な雑貨屋をのぞいたり、図書館でゆっくり過ごしたり、日本食を食べたり、できることは全て試したけれど役には立たず。あるときは、家のオーナーが日本人は魚貝類が好きだろうと、小海老がたくさん入ったカレーを作ってくれた。その気持ちがうれしかった。けれど、とうとうホームシックにかかった。

いつも、一度家を出ると連絡一つよこさないと言われる私が、泣きながら実家に電話をかけたので家族は、びっくりしていた。こんなに日本や家族が恋しくなったのはこのときが初めて。

海の近くがいいと、選んだ部屋だけど

海というだけで、ブライトンの海に期待し過ぎていたのだと思う。夜になると恐怖さえ感じる、叩きつけるような荒波の音。暖かい国のビーチで、さざ波を聞きながら眠るのとは大違い。荒々しい波の音を聞きながら眠り、雨の音で目が覚める。朝、ベッドで目を開けて、また雨かぁ、と起き上がってブラインドの隙間からのぞいたら、やっぱり降っているのが見えて、涙がこぼれるようになっていた。

家のオーナーは、ロンドンに遊びに行っておいでと勧めてくれたけれど、こうなっては、もう、何をやっても効かない。ルーブルに住みたいと思うほど、美術館は大好きな場所。友達とロンドンの美術館を巡り、ショッピングやエンターテイメントも。でも、どんより曇り空の下。私が初めて外国に興味を持ったのは、まさにロンドンだった。音楽、美術、ファッション、その頃の興味の全てが詰まった街。だけど、もう何を見ても琴線に触れない。

スペイン人の友達 

イギリスで私の心を救ってくれたのはスペイン人の友達。彼女の仕事の日以外は、学校の後、いつも一緒だった。ある日、彼女の借りる部屋で、夕食を食べていて、今日はここに泊まったらいいよ、と。小さな部屋を3人で借りていて、彼女のベッドは女友達と二人で寝ている。私はどこに寝るの?という状況なのに、そう言ってくれる気持ちが泣けるほどうれしかった。

今、人生を思い返すとスペイン語圏の人に惹かれる傾向にある。明るい性格に惹かれるのかな。彼女とはイギリスを出てからも何度か会った。彼女は一足早くイギリスを出て、カナリア諸島のフエルタベントゥーラ島に行った。日本に帰る前、彼女を訪ねた。そして、このずっと後に私は仕事で上海に行くのだけれど、その前にスペインへ彼女を訪ねたこともあった。今も、ときどき連絡を取っている。

病んだ心を癒してくれるのは、モノではなくヒトなんだろうね、きっと。

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